行き過ぎた唾液の減少、ドライマウスの原因と症状とその予防方法

口臭の発生源である舌

口臭を予防する上でとても大事な唾液ですが、人では耳下腺・顎下腺・舌下腺の三大唾液腺と多数の小唾液腺から分泌されて、その1日に分泌される量は1.0~1.5リットルにも達します。

生理的口臭が発生するのは3つのタイミングと5つの原因でも説明しましたが、この唾液の分泌量は1日の間に波があり、起床時や緊張時に分泌が減ります。

それが生理的口臭の原因の1つになっているとも説明しました。

しかし、いろいろな原因によって、唾液の分泌量が生理的な反応の範囲を越えてさらに減少することがあります。

こうして日常的に唾液が不足している状態をドライマウスと呼び、口臭の発生にとどまらず、さまざまな問題を起こします。

ドライマウスは決して珍しいものではなく、一説には日本全国で3,000万人の患者がいると言われています。

ドライマウスの原因はさまざまです

ドライマウスのイメージ

ドライマウスかどうかの診断基準はいくつかありますが、簡単に測れる検査方法としてガムを使った方法があります。

やり方は簡単で、ガムを10分間噛んでいる間に出てくる唾液を容器に全て吐き出します。

トータルで唾液量が10ml以下の場合、ドライマウスと考えられます。

ドライマウスの起こす病気としては、シェーグレン症候群が代表的なものなのですが、ドライマウス全体の1~2割を占めるに過ぎません。

ドライマウスの原因の大多数を占めるのはストレスや薬による副作用だと言われています。

以下に、ドライマウス起こす要因と考えられるものを挙げてみました。

柔らかい物ばかり食べている

いつも柔らかい食べ物ばかり食べていると、噛む力や噛む回数が減ってしまい顎の筋肉が衰えてしまいます。

唾液腺は周りを囲む顎の筋肉が収縮する時に、押されて唾液を分泌しますので、筋肉が衰えると唾液をたくさん分泌できなくなってしますのです。

ストレス、抑うつ

生理的口臭の記事でも説明しましたが、ストレスや抑うつ状態の時、唾液の分泌量が減少します。

また、ストレス時には交感神経が優位になり、ネバネバの粘稠性の高い唾液を多く分泌するようになります。

口呼吸

口で呼吸していると、本来、鼻の中で吸う息を加湿するのが、口の中の水分から加湿されます。

唾液の分泌量が正常であっても、水分を奪われるために唾液の量が減少してドライマウスになります。

加齢

高齢者にドライマウスが多いため、以前はドライマウスは老化現象の1つと考えられていました。

しかし最近では、年をとっても唾液の分泌量が低下することはないという研究報告が多くされています。

高齢者の場合、ドライマウスを起こす病気を持っている率が高いことや、日頃、何らかの薬を飲んでいる率が高いことのほうが、ドライマウスが多い原因だと考えられます。

薬による副作用

薬を常用している方が多い日本では、薬の副作用からくるドライマウスがかなり多いと考えられます。

ドライマウスを起こす可能性のある薬剤として、抗不安薬、抗うつ剤、降圧剤、抗精神病薬、抗けいれん薬、制吐剤、抗ヒスタミン剤、利尿剤などがあります。

糖尿病、腎機能障害

糖尿病や腎機能障害では多尿(異常に尿量が増加する)になるため、常に脱水気味になります。

そのため唾液の分泌量が減少して、ドライマウスを引き起こします。

シェーグレン症候群

唾液腺や涙腺などの外分泌腺を中心とした原因不明の自己免疫疾患。

免疫が唾液腺を攻撃して破壊してしまうために、唾液の減少が起こりドライマウスになります。

放射線治療

唾液腺に近い部分のがん治療に放射線照射を行った場合に、唾液腺がやられてドライマウスになることがあります。

ドライマウスの症状

美女も朝は口が臭いイメージ

自覚症状

ドライマウスの自覚症状として、名前の通り口の渇き(口渇感)を感じたり、唾液がネバネバして不快であったりします。

他に味覚が変わったり(味覚異常)、普段はなんともなくても熱いものや辛いものを食べた時に痛くて食べられなかったり、普段からヒリヒリ痛んだりします。

会話がしにくいというのも、症状として見られます。

口臭発生

起床時に生理的な範囲の唾液の減少で口臭が出るくらいですから、病的に唾液が減少して口の中が乾けばさらにひどい口臭が発生することになります。

虫歯・歯周病

唾液が不足すると歯の再石灰化が上手く行われなくなり虫歯が増えてしまいます。

また唾液は口の中の菌の増殖をコントロールする役目があるので、減少してくると菌が活発になり歯周病になりやすくなります。

口内炎

ドライマウスで唾液が減少すると口腔粘膜の自浄作用が低下して、アフタ性口内炎や舌炎、口角炎などを起こしやすくなります。

カンジダ症

上に同じく、唾液の減少で自浄作用が低下したために、常在菌のカンジダが日和見感染し、カンジダ症を起こします。

上記の舌炎や口の痛みはカンジダ症によるものが多いです。

ドライマウスの予防

病気から起こっているドライマウスではまず、その病気の治療が重要になります。

他の原因からくるものは、その原因の排除や対症療法を組み合わせて予防します。

規則正しい生活

十分な睡眠、規則正しい生活、適度な運動を行うことで、自律神経のバランスを乱さないようにしましょう。

規則正しい食生活

決まった時間に、しっかりと食事を摂ることは、唾液の分泌機能を維持するためにも大切です。

ダイエットは小食で十分噛む力を使わないためにドライマウスにとってはNGです。

ダイエット中でもしっかり顎の力を使うように食べるものに工夫をしましょう。

よく噛む

衰えた顎の筋肉を鍛えるために意識してよく噛むようにしましょう。

普段の食事でよく噛む(30回以上)ことを心がけたり、献立に歯ごたえのあるものを取り入れたり、食事の合間にキシリトールガムなどを噛むようにすれば唾液の分泌が多くなります。

水分を補給する

口臭対策と同様、あるいはそれ以上に、口が乾燥しないようにこまめに水分を補給するようにしましょう。

鼻呼吸を心がける

口呼吸をするクセのある方は、口の中を乾燥させないように鼻呼吸を心がけましょう。

寝る時はマスクをしたり、口を閉じておく専用のテープを貼って、睡眠中のドライマウスを予防します。

ストレスの解消

常に緊張状態だと、上に述べたように自律神経の偏りから唾液の分泌が減少してしまいます。

1日のうちに時間を決めてリラックスタイムを取るようにしたり、ジョギングなど適度な運動を行ってストレスの解消に努めましょう。

お酒やタバコを控える

アルコールは利尿作用により脱水しやすくなることで唾液減少の原因になります。

タバコは含まれるニコチンの血管収縮作用が唾液の分泌を減少させることでドライマウスを引き起こします。

どちらもできるだけ量を控えるようにしましょう。

薬の量を減らす・薬を変える

服用している薬の副作用でドライマウスが起こっているのなら、お医者さんに相談して薬の量を減らしたり、副作用の少ない薬に変えてもらうようにしましょう。

唾液腺マッサージをする

生理的口臭の対策で紹介したように、舌の運動をしたり、唾液腺を直接マッサージすることで一時的に唾液の分泌を促すことができます。

原因となる病気があれば治療する

シェーグレン症候群や糖尿病、腎機能不全など、ドライマウスの原因となる病気を持っているならば、その原因疾患をしっかり治療することでドライマウスが改善されます。

人工唾液や口腔内保湿ジェルを使う

薬局などで口の中を潤すための人工唾液や口腔内保湿ジェル、口腔内スプレーなどを手に入れて、人工的に口の中を潤しましょう。

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まとめ

認知度があまりない割に非常に患者数の多いドライマウスなので、自分がドライマウスだと自覚していない方が相当数いると思われます。

もし、普段しっかりと口内ケアをしていても生理的口臭がひどいと感じているのでしたら、ひょっとしたらドライマウスなのかもしれませんね。